冬の気くばり vol.5

すべる雪道ではつま先に力を



  放射冷却現象で冷え込みの厳しい朝、カチンカチンに凍った道で、思わず足を滑らせ転んだ経験はありませんか。道路は渋滞、車はノロノロ運転・・・・・・。町の街路はタイル舗装でとても滑りやすく、気持ちが焦るばかりで足元が不安定になりがちです。

  早速ハイヒールを履いた若いOLが、駆け足で受付へやってきました。滑って転んで思わず手を突き、手首をひねったようです。雪道で滑って転倒し、手を突いたりしりもちをついた場合、予想以上に荷重がかかり、特に女性や子供は手首の付け根の骨を傷めることが多いのです。幸い、この女性は手首の捻挫だけで済みましたが、もし手首がフォーク状に変形していたら骨折の疑いがあります。

  しりもちをついた場合は、打撲だけで済むこともありますが、お年寄りの方は、十分注意が必要です。股関節の辺りに痛みがある場合は、大腿骨の頚部骨折〈股の付け根の骨折〉、背中から腰にかけての痛みの時は、脊椎の圧迫骨折〈背骨がつぶれる〉のこともあります。

  ひと昔前までは、凍った雪道を歩くとき、父親が長靴にわら縄を巻いてくれたので歩きやすかったのですが、今ではこのような光景は目にしなくなりました。

  まず、滑り止めのついた靴を履き、足の親指に力を入れ、膝を心持ち曲げ気味に、足底をしっかり地面に付けて慎重に歩いてください。

  滑って転び、痛みが長引くようなときは、放っておかないで、すぐに専門家に診てもらいましょう。気を付けて行ってらっしゃい。


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